
ドイツの保存食である「ザワークラウト」は、日本でいうところの「キャベツの漬物」です。どちらも乳酸菌が発酵した発酵食品です。本記事では、ザワークラウトを作るのに適した時期、材料、作り方、保存方法、失敗しないコツについて解説します。
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>> YouTube:【極上の保存食】ザワークラウトを作ろう!
ドイツではザワークラウト、フランスではシュークルートと呼ばれます。名前はちょっとしたおしゃれな感がありますが、要はキャベツの漬け物です。
キャベツの長期保存が可能になるだけでなく、ビタミンCなどの栄養も豊富です。発酵食品なので抗酸化作用、腸内環境改善、免疫力アップ等も期待できます。
さっそくザワークラウトの作り方をみていきましょう。
もくじ
【ザワークラウトの作り方】
大まかな流れはこんな感じです。作業時間はトータルで2-3時間くらい。完成まで約1週間です。1.仕込み:塩をまぶして保存瓶に仕込みます。2時間くらいです。
2.熟成を待つ:1週間くらい。
キャベツを塩漬けにしておいておくだけ、簡単なのでぜひお試しください!
1.ザワークラウトを作るのに適した時期
キャベツは一年中スーパーで手に入るので、1年中いつでもザワークラウトを作ることはできます。そんななかでもザワークラウトを作るのに最も適した時期は、3月~5月くらいです。この時期がもっとも美味しく、しかも失敗しにくい時期と言えると思います。
これには2つのポイントがあります。
✓ ポイント
・キャベツが旬である
・乳酸菌が活動するしやすい温度である。
旬と言えるのは冬キャベツなら11月~2月、春キャベツなら3月~5月くらいだと思います。
また乳酸菌が活動しやすい温度は20度~25度です。室温がこのくらいの温度のとき、乳酸菌がしっかりと働いてくれるので、ザワークラウトを作りやすいです。
温度が低すぎると乳酸菌があまり働かずに、発酵するのに時間がかかります。春3月~5月くらいがこのくらいの室温になり、ザワークラウトを作りやすいと思います。
どんな保存食をいつ頃仕込んだらいいのかわらない・・・という方にはこちら。
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5月に作りたい保存食まとめはこちら。
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2.ザワークラウトの材料

・塩 40g(キャベツの重さに対して2%)
・キャラウェイシード 小さじ2(なくても可)
✓ ポイント
キャベツの外葉や芯をとる前の重さで算出してOKです。塩はキャベツの重さに対して2%
キャラウェイシードは、スーパーになければネットでも購入できます。キャベツによく合うスパイスなのでザワークラウトにはもってこい、パンにも合うらしいです。塩だけでも美味しいので入れなくても問題ありません。
3.ザワークラウトの道具
・2Lの保存瓶・すりこぎ棒(保存瓶の口に入る太さ棒状のもの、細長い瓶などで代用可)
・ボウル
・包丁
・まな板
使用する保存瓶について2点ポイントがあります。
✓ 保存瓶のポイント
・熱湯消毒またはアルコール消毒をしておくこと
・保存瓶の容量の目安は1Lの瓶に1kgのキャベツ
1kgのキャベツなら外側の葉をとり、芯を取り除くとちょうど1Lの保存瓶におさまります。今回は2kgのキャベツで2Lの瓶におさまりました。
漬物の道具選びに迷ったら、こちらを参考にしてみてください!
>> 自家製漬物づくりの必須道具、選び方のポイントを解説
4.ザワークラウトの作り方の手順
1.キャベツの外側の葉を外し、4等分に切り、芯を切り落とします。

キャベツはさっと洗う程度で、しっかりと水分を切ってください。汚れているところが残っていたら濡れキッチンペーパーで拭きとります。キャベツの葉についている乳酸菌が発酵の素なので、あんまり洗いすぎないようにします。
4等分に切り、芯を切り落とします。


✓ ポイント
あとで使います!外葉と芯はとっておきます。
2.粗目の千切りにします。

※太いほど歯ごたえのあるザワークラウトに仕上がりますのでお好みで。
3.ボウルに切ったキャベツ、塩、キャラウェイシードを加えます。



4.塩とキャラウェイシードが全体に行き渡るように混ぜ合わせ、10分くらい揉み込みます。

揉み続けるとキャベツから水気が出てきて絞れるようになります。ギュッと絞ったときに水が滴り落ちるようになればOK。

5.保存瓶に入れます。空気が入らないように押し込みながらキャベツを詰めていきます。

かなりギューギューと押し込みます。

✓ ポイント
すりこぎ棒、細長い瓶などがあると便利です!
6.最後にキャベツから出てきた水分もすべて入れます。

✓ ポイント
ここ、発酵が失敗しない最重要ポイントです!キャベツが水に完全に浸っている状態にすること!
7.キャベツの外葉で内蓋をします。


8.キャベツの芯をつっかえ棒にして蓋をします。これで重石をしている状態になります。


✓ ポイント
発酵がすすむと炭酸ガスが発生するので蓋は密閉しません。
パッキンを外しておきました。

✓ ポイント
キャベツが発酵してくるとガスが発生し水分も出てきますので、かさが増えます。それを見越して3cmくらいの余裕を確保しておいてください。一番上のキャベツから瓶の口まで3cmくらいの余裕を確保しておきます。

余裕が無いと溢れてしまいます。
9.冷暗所(25度以下)で1週間くらい。時々蓋をあけて炭酸ガスを逃がしてあげます。

発酵が進むと、抑えは不要になりますので芯は取り出して大丈夫です!
経過4日目。

味見をしながら発酵が進んでいくのを待ちます。5~7日くらいで酸っぱくなり始めたら食べ頃です。お好みの発酵具合になったら冷蔵庫へ入れて、発酵を抑えます。
完成です!ぶくぶくと泡がすごい^^


5.ザワークラウトの失敗しないコツ
発酵がうまくいかないと、ねばねばして腐ったような匂いのザワークラウトになってしまいます。そうなったらもう捨てるしかありません;;失敗しないザワークラウトのためのポイントは2つ。
✓ ポイント
・清潔な保存瓶を使用すること。
・キャベツが常に水に浸かっている状態にすること。
使用する保存瓶は必ず煮沸消毒またはアルコール消毒をしておきます。
そしてキャベツをよく揉み込んで水分を出させておき、すりこぎなどでよく押し込み、しっかり水に浸るようにすること(手順4-6のところ)。
これさえ守れば、ザワークラウトはまず失敗することはないんじゃないかと思います。
6.ザワークラウトの保存方法

冷蔵庫で3~6ヶ月くらい保存可。だんだん酸っぱくなりますが、最初の2週間位はあまり味が変わらずに食べれると思います。
より長期の保存には冷凍も可能です。
7.ザワークラウトの食べ方
そのまま食べるのが超美味しくって、適度な酸味がやみつきになります!!ドイツ料理なのでウインナーの付け合せにも合います。漬け物でもあるので、白いごはんとも相性バッチリです。和洋問わずの万能選手!(‘ᴗ’)
ホットドッグにするならそのままパンに挟むだけ、炒める必要はありません。酸味があるのでケチャップはいらないと思います。お好みでマスタードを付けてもいいかも。

熱を入れなければ生きた乳酸菌を取り入れることができますしね。でも少し酸っぱくなってきたら加熱料理にしても美味しいです。スープやシチューに炒めもの、煮物にも使えます。塩味と酸味があるので味付けほぼいらず、入れるだけなので使い勝手抜群です。
ソライロノート
キャベツの保存食は、美味しくて長持ち、和洋問わず使い勝手のいいザワークラウトで決まり!大玉のキャベツを全部使って作っても、あっという間に食べきってしまうんじゃないかと思います。天候不良等でキャベツが高騰することもありますが、安い時期に買い込んで常備しておきたい保存食です(‘ᴗ’)
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>> YouTube:【極上の保存食】ザワークラウトを作ろう!
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