
この世でもっとも甘くて美味しいフルーツは干し柿なんじゃないかと思ってます。美味しいだけじゃなく、保存食、登山の行動食としても有能な干し柿の作り方を徹底解説してみました。原価1個25円で、最高に美味しい干し柿を作りましょう!
作り方を動画で見たい方はこちら。
>> Youtube:【極上の保存食】干し柿を作ろう!【誰でも作れる】
枝がついてない柿で干し柿を作るには?
>> 枝なし柿で作る干し柿の作り方【2019年版】
干し柿の作り方
(1)干し柿が甘くなる理由
なぜ渋柿を干すと甘くなるのでしょうか?渋味の素となっているのはタンニンという成分です。干すことによってタンニンが可溶性から不溶性に変わります。そうすると口の中に入れてもタンニンが溶けないので渋味を感じなくなります。元々渋柿は甘柿よりも糖度が高いので、渋味がなくなればめちゃくちゃ甘くなります。渋味の素自体は残っているのに、甘く感じるというのも、なんだか不思議です。
(2)材料
・渋柿 5kg(お好みの量で)・紐 約1.2m × 6本
※ピーラー、ハサミ、ボウル、鍋を使います。
(3)手順
1.渋柿の購入

伊豆の国市の「大仁まごころ市場」にて四ツ溝柿5kgを購入しました。10kg、5kg、2kgと大量購入者向けにたくさんの渋柿がありました。だいたい10末、11月くらいから出始め11月末~12月の前半くらいまで出回るそうです。年によって多少の前後はあるので早めに買い求めることをおすすめします。また入手した渋柿は、置いておかずにすぐに2以降の処理をしましょう。
2.ハサミで柿の「がく」を切ります。


包丁でヘタの周りの皮と一緒にがくを切ってしまうやり方もありますが、慣れないと枝をハサミで切ってしまう場合があります。がくだけを切って、へたは残すようにしてください。へたにくっついている枝に紐を結んで吊るすのでへたを切ってしまったら吊るせなくなります。もしも枝を切ってしまった場合はこちら。
3.ピーラーで皮を剥きます。


柿の先の方からへたに向かって縦に剥くと剥きやすいです。柿の皮は捨てずにとっておきます。
4.柿の枝に紐を結びます。




紐の長さ、1本の紐に吊るす柿の数は、干す環境に合わせて変更してください。今回は1m20cmくらいの紐を6本用意して、1本の紐に8個の柿を結びました。柿と柿の間隔は10-12センチくらいです。
5.柿を熱湯に10秒浸します。

干す前に熱湯に浸すことで雑菌の発生を防ぎ、カビにくくなります。また、柿の色が黒ずむのを抑制する効果もあるようです。これは必ずやっておいたほうがいいです。熱湯に入れたら時間をおかずにすぐに干してしまいましょう。
6.柿を干します。


物干し竿などに干します。天日干しで構いませんが、日の光に当てることよりも風通しの良さを重視したほうがよいようです。天日干しにすると干し柿の表面が黒くなりやすいとも言えます。色を気にする場合は、日陰干しの方がいいと思います。とっておいた柿の皮も干し網などに入れて干します。
通常2週間で渋が抜け、1ヶ月~1ヶ月半くらい干します。
7.柿を揉みます。



一週間くらいして、柿の外側が乾いてきて少ししんなりしてきたら、柿を揉みます。あまり強く押しすぎると中から汁が出てしまうので、優しく揉んであげます。揉むことで渋味が早くなくなり、甘みが全体にいきわたる効果があります。また白い粉がふきやすくなるそうです。
毎日または2-3日置きくらいに揉みます。
8.枝を切ります。

お好みの乾燥具合になったら、柿をの枝を切ります。今回は10日間干しました。紐を結んである枝のところをハサミで切り落とします。
9.1つ1つラップに包み、ジップロックに入れて冷凍します。


ラップに包むのが面倒な場合は直接ジップロックに入れてもいいです。なるべく空気に触れないように、ストローなどを使ってしっかりと空気を抜いて冷凍庫へ入れておきます。
※ここで冷凍庫に入れるのは、保存のためではなく熟成させるためです。冷凍すれば乾燥させずに、熟成が少むため甘味がましていきます。
10.皮をミルで細かく砕きます。

しっかり乾燥していないと細かく砕けません。今回も若干水分が残っていたせいか、粉末状にまではなりませんでしたが、使う分には問題ないでしょう。これは冷蔵、または冷凍しておきます。
11.実食

冷凍期間は1ヶ月くらい置いておくと、より甘味が増して美味しくなります。最低でも数日くらいは置いておきましょう(干した期間+冷凍で2週間以上になるように)。今回は4日目(干してからちょうど2週間)で食べてみました。
冷凍したものはカチカチに凍るということはまずありませんので、少し置いておけばすぐに食べられると思います。
何とも言えない甘みが口の中に広がり、とても深い味わいで美味しいです!いつもより早めに仕上げたのでジューシーさも残っています。渋味はきちんと抜けていました。
(4)保存方法と保存期間
乾燥させた保存食なので乾燥具合によって保存期間は変わってきます。大まかな目安としては常温(冷暗所)では1週間くらい、冷蔵で2ヶ月、冷凍で数ヶ月以上です。
(5)ソライロポイント
干し柿の時期
渋柿が出回るのが10月末~12月上旬です。場所やその年によって多少前後するので注意してください。干す期間
2週間で渋が抜けるので最低2週間~1ヶ月半くらい干します。期間に幅があるのは、ジューシーな干し柿が好きな方は短く、乾燥して固めの干し柿がお好みの方は長く干します。より水分の多い状態で食べたい場合は、2週間より短くします。その際は干す+冷凍で2週間くらいおけば渋味は抜けると思われます。
またまた柿の大きさによっても変わってきます。私が使う四ツ溝柿はだいたい100~150gくらいの大きさで、比較的小ぶりです。西条柿や愛宕柿などは300gくらいあるでしょうか。大きい柿はそれだけ乾燥するのに時間がかかりますので、少し長めに干したほうがいいと思います。
カビさせないためには
雨や湿気の多い日が続いたりすると、冬とはいえカビが発生する可能性があります。最初に熱湯に浸す作業を必ず行うこと。雨の日は室内に取り込み、扇風機等で風を当てるとカビずにすみます。美味しくするには
外側が乾いてからよく揉むと甘味を均等にする役割があると思われます。また白い粉(糖分)がふきやすなるそうです。また冷凍で熟成させると、より甘味が増す効果があると思われます。
ソライロノート
我が家では干し柿の作業が11月の恒例行事になってます。1個たったの25円、少しの手間と時間をかければ極上の干し柿が味わえるので、この既設が楽しみでなりません。干し柿は、栄養価が高いだけでなく、軽くて携帯しやすいので、登山の行動食としても優秀です。
サイコロ状に切ってパウンドケーキに入れたりなどお菓子作りに使っても美味しいと思います。
極上のスイーツ&優秀な行動食&長期保存もできる保存食という最高の食べ物だと思います。
こんな干し柿を自作経験のない方は、ぜひ一度お試しいただければと思います(‘ᴗ’)
作り方を動画で見たい方はこちら。
>> Youtube:【極上の保存食】干し柿を作ろう!【誰でも作れる】
残った皮の有効利用はこちら。
>> 残った柿の皮で三色の柿茶を淹れてみた[動画]
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