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桜の話(1) ソメイヨシノは何本存在するのか?

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ソメイヨシノ
日本の桜と言えばソメイヨシノ。家の周りでもソメイヨシノが咲き始めています。桜がきれいに咲いていると、急いでいてもとふと足をとめて眺めたり、写真をとってしまうという方も多いのではないでしょうか。そんな日本人の心をつかんで離さないソメイヨシノは、日本に何本存在するのでしょうか?

きちんと本数を数えた人はいないと思われますが、おおよそでは数百万本から1千万本と言われているそうです。

しかし、ある条件をつけた数え方をするとソメイヨシノの本数は何本ですと言えるそうなのです。ある条件とは?そしてソメイヨシノは何本あるのでしょうか?



ソメイヨシノはどうやって数を増やしてきたか?
そもそも日本に何百万本とあるソメイヨシノはどうやってその数を増やしていったのでしょうか?


ご存じの方も多いでしょうが、ソメイヨシノは野生種ではなく栽培種です。つまり人間が栽培してできた品種です。しかもソメイヨシノは自然繁殖できないらしいのです。

種子植物は花が咲き種ができ、種から新しい芽が出て増えていきますが、ソメイヨシノは種から育てると性質が変わってしまいソメイヨシノではなくなってしまうということらしいのです。

もう少し詳しく言えば、ソメイヨシノは同一個体同士で受粉できない(自家不和合性)ため、他の品種と受粉することにより種子が実ります。そうやってできた種子から育つ桜は、ソメイヨシノと他の品種との掛けあわわせことになるため、もはやソメイヨシノではなくなってしまうのです。


ここで「おや?」と思った方もいらっしゃると思います。

同一個体同士では受粉できなくても、同じソメイヨシノの別の個体(木)の花となら受粉できるのではないか?と、、、

ソメイヨシノは主に接木によって植林されています(挿し木の場合もある)。

接木というのは、ソメイヨシノ以外の品種の桜を台木としてあるソメイヨシノの枝をつなぎ合わせて育てる古くからある手法です。

枝を取ったソメイヨシノと接木によって栽培されたソメイヨシノは同一個体のソメイヨシノ、つまり遺伝子的には全く同じDNAを持っていることになります。

つまり、すべてのソメイヨシノは1本のソメイヨシノから人工的に創りだしたクローン植物だと言えるわけです。(※確実に証明されたわけではないが、福岡、東京、青森の3箇所のソメイヨシノのDNA情報が一致)


最初にソメイヨシノが生まれたのはいつ?
現存する最古のソメイヨシノは、弘前公園にあり樹齢133年(明治15年から)と言われています。

では最初にソメイヨシノが生まれたのいつでしょう?

江戸時代末期から明治初期にかけ、染井村(現在の東京都豊島区駒込辺り)の植木職人が、大きな花が咲くオオシマザクラと、葉っぱが出る前に花が満開になるエドヒガンを掛けあわせて創りだし、大々的に売りだされ広まっていったという説が有力のようです。

その最初に創りだされた1本が、すべてのクローンソメイヨシノのオリジナルということになるわけです。


ソメイヨシノは世界に何本あるのか?
では、ソメイヨシノは世界に何本あるのか?ということの答えは、、、


「DNA情報が一致する同一個体は1本とみなす」という条件のもとでは

ソメイヨシノは世界に1本しかない

ということになるわけです。


日本全国で毎年何百万本以上のソメイヨシノが花を咲かせているわけですが、それが全部たった1本の木のクローンという事実を初めて知った時は大変驚きました。

同じDNAを持っているからこそ、お寝坊さんのソメイヨシノ君や落ちこぼれのソメイヨシノちゃんがおらず、同じ環境、同じ条件にあるソメイヨシノは、毎年一斉に花を咲かせ、一斉に散っていくのです。


毎年春になると咲き誇るその華やかさはハッとさせられるような美しさを持ちつつも、花の命はわずか数週間で散っていきます。

一斉に散っていくその様は美しくもあり、はかなげでもあり。

そんなソメイヨシノの裏に、望みもしないのに自分のクローンを作られ世界中にばらまかれてしまった悲しき人口生命体のような物語を思い返してみると、今までとはまた違った味わいがあるかもしれません。

参考文献
ソメイヨシノの誤解
「ソメイヨシノ―すべては1本の木から始まった」(1) – 餃子倶楽部
桜と言えば「ソメイヨシノ(染井吉野)」驚きの「染井吉野」の真実!

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