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【ソライロ遍路紀行31日目-2】密室の遍路小屋で怪しげな先客と二人きり

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2016-04-21 16.02.52_ふれあい広場
※ソライロ遍路53日間の全貌、ツイートしきれなかった部分も余すところなく織り込んでます。

4月21日、お遍路31日目その2。
お遍路31日目は朝から雨の中、山道の柏坂へんろ道を避け海沿いの国道56号線を歩く。ゆらり内海に寄りお風呂に入ったあと、休憩室で休んでいたらいつの間にか寝てしまった。

その1はこちら。
31日目-1 激しい雨風の56号線を歩き、ゆらり内海で休憩



作戦会議
気づいたら14時半になっていたので、1時間以上寝ていたらしい。

座敷には誰もいなくなっていた。外を眺めてみるが雨は少しも弱まっていない。木が大きく風で揺らされている。

ここに宿泊できるならこのまま眠り続けたかった、、、でもここは宿泊施設はないのでそろそろ出発しないと。

近くの須の川キャンプ場の東屋だと雨が吹き付けるのであまり意味がないだろうな、、、

ちなみにテントがあるのになぜそこまで屋根の下にこだわるのか?と疑問に思う方もいるかもしれない。

これは室戸岬への55号線沿いで屋根のない場所で雨の夜を過ごして痛感したこと。雨の日に濡れない寝場所を確保するのは野宿遍路にとっては最重要項目なのだ。

確かに屋根がなくてもテントの中に入れば濡れることはないが、テント内は湿気がすごいのでジメジメした空気になる。そして一番の問題は濡れたレインウェアや服だ。テントの中にそのままレインウェアを入れていたらテント内がびしょびしょになるのでビニール袋などに入れておくしかない。しかし翌日も雨だったら、その濡れたレインウェア(内側も湿気でびしょ濡れになっているだろう)を着なければならないのだ。あらゆるものが湿気で重くなり、荷物は通常の1.5倍くらいに感じる。

もし屋根のある濡れない場所を確保できれば、濡れたレインウェアや服などのメンテができるのだ。これができるだけで天国と地獄ほどの差がある。


水車亭でお会いした自転車お遍路さんに教わった遍路小屋まで行ってみようか。そこは普通の遍路小屋のような東屋的なものではなく、ちゃんと小屋になっているそうなので雨風をしのぐにはもってこいだろう。ただ、だいたいこのあたりというのしか教わっていなかったので正確な場所がわからなかったが、おそらくゆらり内海からの距離は3,4キロくらいと予想。雨風の中でも歩けない距離ではないだろう。

覚悟を決め、おかみさんにお礼を言って出発した。



寝床探し
部屋の中から見て想像していた以上に風が強い。雨が顔にあたって痛いくらいだ。

この状態で長い距離を歩くのはきつい。根拠はなかったが1時間くらい歩けば着くはずだと信じて歩く。そう思わないと歩いてられない^^;

風で体が揺れる。さすがに飛ばされそうになるわけではないが、一瞬もってかれそうな感覚になる。

1時間くらい歩いた。立ち止まりそれらしき場所がないか、キョロキョロするが見当たらない。

地図に載っていない場所というのは不安で仕方ない。まだまだ先だろうか・・・本当にこの道沿いにあるのだろうか?遍路小屋がみつからなかった場合も考え、テントが張れそうな場所も探しながら歩く。


広場があった。東屋もあり、奥にトイレっぽい建物もある。ここだろうか?

2016-04-21 16.02.52_ふれあい広場

小屋はどれだ?と奥の建物に近づいてみると、これが遍路小屋のようだったが先客がいるようだった。誰もいなければ気軽に泊まれるが人がいるとなると、不安もよぎる。人がいっぱいだったらどうしよう?と思いながらノックをしてドアを開けてみた。

中にはお遍路さんらしき年配の方が1人いらっしゃった。ここに宿泊したいのだが可能だろうか?と聞いてみる。一瞬、足元から頭までを値踏みするようにじっと見られた気がした後、「どうぞ」と招き入れてくださった。



遍路小屋にて
今までみてきた遍路小屋とは違い、小さな玄関もあり中はフローリングになっていてワンルームの個室だった。内側から鍵もかけられる。こんな遍路小屋もあるのかと驚くと同時に、こういう閉ざされた空間に全く知らない人と2人切りで泊まるのはちょっと怖いという思いもあった。山の中で避難小屋に初めて会った人と泊まるのと似ている。大抵は少し話せばどういう人なのかなんとなくわかり安心するのだが、それでも不安がぬぐえないと山では逃げ場がないのでとても不安な夜を過ごすことになる。この遍路小屋も外は雨で逃げ場がないようなものだった。


濡れたものは温泉でしっかりメンテしておいたのだが、わずか1時間ちょい歩いただけでずぶ濡れだった。小屋の中を濡らさないように玄関でレインウェアは脱ぎ、ザックの中から出したシートを敷いてその上に濡れたザックを置いた。

2016-04-21 16.19.27_小屋内


荷物の整理をしながら少しお話をしたところ、先客の方はお遍路をしているわけではないそうなのだが、何をされている方なのかよくわからなかった。しかもこの小屋に昨日から泊まり続けているらしい。昨夜は僧侶のお遍路さんと飲み明かしたとか。


この先客の方に対する第一印象は、正直に言ってあまりよくなかった。歳は70代くらいだろうか、お遍路さんだったらまた印象は違ったかもしれないのだが、あまり綺麗とは言えない格好でまるで山奥に住んでる仙人のようだったので、自分の中で仙人さんと名付けた。旅をしているようなのだが旅の目的をはっきり言わないいというのが、どうしても胡散臭く思えて仕方がなかった。

本当にやばそうな人だと判断したら、こんな雨の中でも躊躇せずここを出た方がいいだろう。


部屋の中にびしょ濡れのレインウェアを置く場所はないので、どうしたものかと思っていたら、仙人さんに東屋の下に干したらいいと言われた。ただ雨の吹きつけが激しいので東屋の下だとあまり意味がないかもなぁと言うと、屋根の上の柱に紐をしばって吊るせばいいと外までついてきてくださった。紐を渡すとテーブルの上にのり慣れた手つきで柱に紐を縛り付ける。素人のロープワークとは思えない、もしやクライミングでもやらているのだろうか?と聞いてみるといやいやと否定された。柱の上の方なので雨の吹付けはあまり心配ないだろうし、レインウェアの袖に紐を通して飛んでいかないように干した。このお天気なので朝までにパリパリに乾くことはないが、ある程度水気が取れればいいだろう。

2016-04-21 16.04.25_東屋内

仙人さんに対する警戒心は少し薄れていた。

体が少し濡れてしまったが、お腹が空いて着替えるのも面倒だったので先に飯にすることにした。よく考えたら今日は昼飯を食べていなかった。どうりでお腹が空くはずだ。


そろそろ飯の支度をしますと伝え、ふと仙人さんの横顔をみたときに「あっ!」と思わず声に出してしまった。

そう、あることに気づいたのだ。気づいたというか思い出したというか・・・、この怪しげに見えた先客に見覚えがあったのだ。



その3へ続く


【ソライロ遍路準備編】
パッキング編
パッキング編2(食材)
自炊計画


【ソライロ遍路紀行愛媛編】
30日目-1 松尾峠を越え、第三の地伊予の国へ
30日目-2 愛媛最初の札所観自在寺、公園野宿を見逃していただく
31日目-1 激しい雨風の56号線を歩き、ゆらり内海で休憩
31日目-2 密室の遍路小屋で怪しげな先客と二人きり
31日目-3 遍路小屋の夜
32日目 体調不良で急遽宿に泊まる
33日目-1 病み上がりのリハビリ歩き
33日目-2 雨のなか3日ぶりの納経後、道の駅泊
34日目-1 四十二番札所佛木寺から歯長峠越え
34日目-2 四十三番札所明石寺後、遍路小屋で一人焼肉
35日目-1 鳥坂峠を越え、予定外の臥龍の湯に浸かる
35日目-2 野宿の聖地十夜ヶ橋の下で寝る
36日目-1 ありがたいお接待を受けながら内子町へ、小田川沿いの木材動物アートに癒やされる
36日目-2 農祖峠ルートを選び、道の駅小田の郷せせらぎに
37日目-1 雨の農祖峠を越え久万高原町へ
37日目-2 八十八分の四十四番目はどしゃぶりの大宝寺、その後アクシデント発生
(以下執筆中)


【ソライロ遍路全記事一覧】
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